「ふき」と「ふきのとう」は、結論からいうと同じ植物の別の部位を指します。
「ふき」とは、キク科フキ属に属する日本原産の多年草で、漢字では「蕗」と書きます。
日本全国の山野や丘陵地、河川の土手や川岸、道端などに自生し、地中を横に長く這う地下茎から地表に延ばした「葉柄(葉の柄の部分)」は山菜として食用にされます。
単に「ふき」といった場合、この食用にされる葉柄の部分を指すことが多いです。
平安時代にはすでに栽培もおこなわれていた日本最古の野菜のひとつで、天然のものでは4~6月頃が旬の時期になります。
「ふき」は独特な芳香と苦味が特徴で、和え物や炒め物、煮物として調理されるほか、醤油や砂糖で煮つめた佃煮「伽羅蕗(きゃらぶき)」の原料にも用いられます。
「ふきのとう」とは、「ふき」の花の蕾(つぼみ)のことで、漢字では「蕗の薹」と書きます。
「ふき」として食用にされる葉柄が地表に延びる前に、地下茎につける「花芽(花茎の芽)」を柔らかいうちに摘んだもので、2~3月頃が旬の時期になります。
「ふきのとう」は独特の芳香とほろ苦さがあり、天ぷらや味噌汁の具材として調理されるほか、刻んだ「ふきのとう」と味噌を和えた「ふきのとう味噌」の原料にも用いられます。
「ふき」…キク科フキ属の多年草、その食用にされる葉柄部分
「ふきのとう」…ふきの花の蕾
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