クエン酸重曹は、いずれも食品原料添加物とされる白い粉末状の化合物で、近年では安全な洗剤として掃除に用いられることでも知られています。
 
クエン酸

「クエン酸」とは、レモンをはじめとした柑橘類梅干しなどに含まれている有機化合物で、漢字では「枸櫞酸」と書き、化学式ではC6H8O7で表されます。
柑橘類の酸味「クエン酸」によるもので、風味を加えるための食品添加物として多くの加工食品清涼飲料水に用いられます。
「クエン酸」は、エネルギーの産生、老廃物の処理、乳酸生成の抑制、疲労回復、神経疲労予防、肝機能改善、唾液・胃液の分泌促進による食欲増進などの作用をもっており、サプリメントにも多く用いられます。
「クエン酸」の水溶液は弱酸性で、アンモニア臭などアルカリ性の臭いに対する中和効果があるほか、カルシウムを溶かしやすいため電気ポットや加湿器内部に溜まった水垢の洗浄にも用いられます。

重曹

一方「重曹」とは、食塩水電気分解した水酸化ナトリウム溶液に二酸化炭素を反応させて製造する無機化合物で、化学名は「炭酸水素ナトリウム」といい、化学式ではNaHCO3で表されます。
「炭酸水素ナトリウム」は別名が「重炭酸曹達(じゅうたんさんそーだ)」で、これを略したものが「重曹(じゅうそう)」です。
加熱によって二酸化炭素を発生する性質から、ベーキングパウダーとしてパン焼き菓子生地を膨らませるために用いられるほか、入浴剤などにも用いられます。
また、研磨効果があることから油汚れや焦げ落としに洗剤として用いられるほか、歯磨き粉などにも用いられます。
「重曹」の水溶液は弱アルカリ性で、酸性の臭いに対する脱臭効果があるため脱臭剤にも用いられるほか、農業園芸において酸性土壌の中和剤に用いられることもあります。


■ Wikipedia クエン酸
■ Wikipedia 炭酸水素ナトリウム

「クエン酸」…弱酸性の有機化合物
「重曹」…弱アルカリ性の無機化合物

「クエン酸」と「重曹」の違いは?
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