「うま味調味料」、「化学調味料」は、結論からいうと同じものを指します。
「うま味調味料」とは、おもに昆布などが持つヒトの味覚の「旨味(うまみ)」を刺激する成分を工業的に製造した調味料の総称です。
さとうきびやトウモロコシを主原料としたグルタミン酸ナトリウムや、グルタミン酸ナトリウムとイノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムなどの混合物が主な成分で、白い粉末のものが一般的です。
1909年に合資会社鈴木製薬所(現在の味の素株式会社)が発売した「味の素」が代表的な「うま味調味料」として知られています。
「化学調味料」とは、1980年代頃まで用いられていた「うま味調味料」の別称です。
1950年代に、NHKが登録商標の「味の素」を置き換えるために用いた呼称が「化学調味料」で、そのまま一般名称として浸透しました。
しかし、「化学」という言葉から「化学合成食品」や「非自然由来食品」といった負のイメージが連想されるという理由から、業界団体などが「うま味調味料」という語を作り、1980年代頃から用いるようになります。
その後、1993年に経済産業省が計量法で、2002年に総務省が日本標準産業分類で「うま味調味料」の表記を採用し、現在では「うま味調味料」の呼称が一般的になっています。
なお、加工食品の原材料名としては、グルタミン酸ナトリウムのみの場合「調味料(アミノ酸)」、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムが混合されたものは「調味料(アミノ酸等)」と表示されます。
「うま味調味料」…旨味を刺激する成分を工業的に製造した調味料の総称
「化学調味料」…1980年代頃まで用いられていたうま味調味料の別称
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