「シナモン」とは、クスノキ科ニッケイ属の常緑樹の樹皮を乾燥させた香辛料です。
古代ローマ時代から使用されている世界最古のスパイスといわれており、スリランカ原産の「セイロンシナモン」や、中国原産の「シナニッケイ(カシア)」などが代表種として知られています。
シンナムアルデヒドやオイゲノールなどの芳香成分を多く含み、独特の甘い香りと、ほのかな甘味と辛味が特徴です。
ホール(棒状)のものを「シナモンスティック」、粉末に挽いたものを「シナモンパウダー」と呼び分けることもあります。
紅茶やコーヒー、チャイ、カクテルなどの飲料、シナモンロールやアップルパイ、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、ピクルスなどに用いられるほか、ミックススパイス「ガラムマサラ」のベースのスパイスとしても用いられており、南アジアや中東では煮込み料理や炒め物などの香りづけにも用いられます。
一方「ニッキ」とは、クスノキ科ニッケイ属の常緑樹の一種で日本産の「肉桂(ニッケイ)」の根の皮を乾燥させた国産の香辛料です。
近縁種の「シナモン」と比較して樹皮の香りが弱いため、シンナムアルデヒドを多く含む根皮を利用したもので、「シナモン」よりやや辛味が強いのが特徴です。
ニッキ水やニッキ飴、京都を代表する和菓子「八ツ橋」の材料に用いられるほか、古来より「桂皮(けいひ)」と呼ばれ生薬としても利用されていました。
樹皮を利用する「シナモン」と比較して、根を掘り起こすなどの生産コストがかかることなどから国産の「ニッキ」の流通量は減少傾向にあり、近年では和菓子などにも「シナモン」が代替品として利用されることが多くなっています。
このため、広義では「シナモン」の別称として「ニッキ」が用いられることもあります。
■ Wikipedia シナモン
■ Wikipedia ニッケイ