「トルティージャ」、「トルティーヤ」は、いずれもスペイン語の綴りが “tortilla” で混同されることもありますが、それぞれ別の料理で日本においては以下の通り区別されることが多いです。
「トルティージャ」とは、スペイン料理における卵料理で、溶いた鶏卵に塩を加え、炒めたジャガイモ、タマネギ、ベーコンなどの具材とともに丸く焼いたオムレツの一種です。
ホウレンソウや生ハム、エビなどが具材として加えられた「トルティージャ」もあり、地域や家庭によって多種多様な「トルティージャ」がありますが、オーソドックスなものにはジャガイモは欠かせない具材といえます。
一般的なオムレツのように半月形にせず、丸いフライパンを用いてフライパンの形状を利用した円形の厚焼きにされ、円形のピザやケーキのように六等分や八等分などに切り分けて盛りつけられることが多いです。
洋菓子の「タルト」の語源にもなっている古代ローマ時代の円形の菓子「トルタ」が「トルティージャ」の語源とされています。
「トルティーヤ」とは、メキシコ料理における主食で、トウモロコシの粉に水と塩を加え薄く円形に伸ばして焼いたパンの一種です。
トウモロコシの粉に小麦粉を配合したものや、小麦粉のみで作った「トルティーヤ」もあり、トウモロコシの粉で作ったものを「コーントルティーヤ」、小麦粉で作ったものを「フラワートルティーヤ」と呼び分けることもあります。
「トルティーヤ」に肉や野菜などの具材を挟んだ「タコス」や、「トルティーヤ」で米や豆類、肉、野菜などの具材を包んだ「ブリトー」、「トルティーヤ」を三角形に切って揚げた「トルティーヤチップス」、トルティーヤチップスにサルサやチーズなどのトッピングをした「ナチョス」など、メキシコ料理、テクス・メクス料理(メキシコ風アメリカ料理)には欠かせない食品です。
薄い黄色と円形の外観が卵料理の「トルティージャ」と類似していることから、メキシコがスペイン政府の植民地時代に同じ名称で呼ばれるようになったとされています。
なお、スペインでは「トルティージャ」、「トルティーヤ」いずれも「トルティージャ」を指し、メキシコでは「トルティージャ」、「トルティーヤ」いずれも「トルティーヤ」を指します。
日本においては前述の通りカタカナ表記で区別されることが多いですが、「トルティージャ」はスペイン料理店やバールなど以外では「スペイン風オムレツ」や「スパニッシュオムレツ」と呼ばれることもあります。
■ Wikipedia トルティージャ
■ Wikipedia トルティーヤ