「お好み焼き」、「広島焼き」は、いずれも小麦粉を水やだし汁で溶いた生地をベースにした粉もの料理ですが、それぞれ別の料理です。
「お好み焼き」とは、小麦粉を水やだし汁で溶いた生地に、豚肉、キャベツ、天かす(揚げ玉)、鶏卵、紅生姜などの具材を混ぜて鉄板で焼き、ウスターソースやマヨネーズ、青海苔で調味した粉もの料理です。
好みの具材を混ぜて焼くことが名前の由来で、イカやエビ、明太子などの魚介類、ネギやもやし、コーンなどの野菜、牛肉や鶏肉、ちくわ、チーズ、餅、中華麺など、様々な具材が用いられます。
また、生地に山芋や溶いた鶏卵を混ぜることもあり、とんかつソースやお好み焼き用ソースが用いられることや魚粉や鰹節、とろろ昆布、ゴマ、刻んだネギなどがトッピングされるなど多種多様なアレンジがあり、地域や家庭・飲食店によって具材や作り方は千差万別といえます。
「広島焼き」とは、小麦粉を水やだし汁で溶いた生地を薄く伸ばして焼き、豚肉、キャベツ、天かす、もやし、中華麺などの具材を乗せて割った鶏卵の上に返し、ウスターソースやマヨネーズ、青海苔で調味した粉もの料理です。
「広島風お好み焼き」が名前の由来で、広島県や近県では単に「お好み焼き」と呼ばれることが多いです。
広島風以外の「お好み焼き」との大きな違いは生地と具材を混ぜずに重ね焼きをする点で、クレープのような薄い生地と生地、または割って焼いた鶏卵で具材を挟んだ焼き上がりになります。
また、中華麺やもやしが具材の定番として入ることが多く、ソースも広島県広島市に本社を置くオタフクソース株式会社が製造・販売するお好み焼き用ソースの「オタフクお好みソース」が用いられることが多いです。
「お好み焼き」同様家庭・飲食店によって具材や作り方は千差万別で、広島県内でも挽肉を用いた「府中焼き」、中華麺の代わりに白米や炒飯を用いた「庄原焼き」、鶏もつが入った「三原焼き」、砂肝が入った「尾道焼き」、酒粕が入った「竹原焼き」など地域の特色で呼び分けられることがあります。