「ガラ・ルファ」と「ドクターフィッシュ」の違いは?

「ガラ・ルファ」、「ドクターフィッシュ」は、結論からいうと同じ魚を指します。
　

「ガラ・ルファ」とは、コイ目コイ科アゴヒラ属に属する西アジア原産の熱帯魚です。
トルコ、イラン、イラク、シリア、レバノンなどに分布し、河川や池沼などの淡水域に生息する淡水魚です。
成魚で体長10～14cm、銀色～灰褐色の体色をしており、石や岩などに付着した藻類を吸盤状の口で舐めるようにして食べるほか、川底にいる昆虫の幼虫や微生物なども食べる雑食性です。
「ガラ・ルファ」の生息可能水温は23～37℃程度と適応幅が広く、トルコでは水温34℃程度の人間が利用する温泉地に生息する例もあります。

「ドクターフィッシュ」とは、「ガラ・ルファ」の別名、通称です。
温泉などほかの生物が生息しにくい高水温の水域に生息する「ガラ・ルファ」が、温泉利用者の肌の角質を食べる習性を利用し、古い角質層を除去して皮膚の代謝を促進させることでアトピー性皮膚炎など皮膚病の治療に一定の効果が認められたことが名前の由来とされています。
近年では肌をついばむ際の刺激や振動にマッサージ効果やピーリング効果、リラクゼーション効果などが期待できるとして「フィッシュセラピー」に用いられることもあります。
「ドクターフィッシュ」の別名は本来アゴヒラ属の中でも「ガラ・ルファ」のみに用いられる呼称ですが、水温の適応幅が狭い種や口に歯がある近縁種を「ドクターフィッシュ」と謳い利用されている場合もあります。