「たくあん」とは、干した大根を糠床(ぬかどこ)で漬けた日本発祥の漬物です。
天日干しで脱水した大根を、塩や風味付けの昆布などを加えた米糠(こめぬか)に漬け込んで熟成発酵させるのが伝統的な製法で、米糠に長時間漬け込むことにより黄褐色に染まりますが、近年では塩などで脱水した大根を、旨味調味料や甘味料などを配合した調味液に漬け込んで人工着色料を用いて鮮やかな黄色に着色した商品も多いです。
江戸時代に沢庵宗彭(たくあんそうほう)という名の僧侶が考案したことが名称の由来とされており、漢字で「沢庵」と書くことや「沢庵漬け」と呼ばれることもあります。
また、「たくあん」の発音がしにくいため「たくわん」と呼ばれたり、口頭語を表音式仮名遣いした「たくわん」の表記が用いられることもあります。
一方「いぶりがっこ」とは、燻製にした大根を糠床で漬けた秋田県発祥の漬物です。
楢や桜などの燻煙で脱水した大根を、塩や風味付けの昆布などを加えた米糠に漬け込んで熟成発酵させるのが伝統的な製法で、煙で燻されることから表面は茶褐色になり、燻製独特の香ばしい風味がついた漬物になります。
日照時間が少なく降雪が多い秋田県では天日干しに代わって囲炉裏の上につるして燻製にする「いぶりがっこ」が保存食として古くから親しまれており、秋田県の方言で「漬物」を意味する「がっこ」が名前の由来ですが、商標登録を主張する製造業者と、普通名称であると主張する業界団体とで主張の対立があることから「いぶり漬け」や「いぶり漬け大根」、「いぶりたくあん」、「いぶり大根漬」などの商品名や呼称が用いられることもあります。
■ Wikipedia 沢庵漬け
■ Wikipedia いぶり漬け
■ 秋田県いぶりがっこ振興協議会