「フランスパン」とは、小麦粉、塩、水、イーストの基本的な材料だけで作られるフランス発祥のパンの総称です。
他のパンに用いられることが多い砂糖やバター、鶏卵、油脂類などの副材料を生地に使用しないため、作り手の技術が味を左右するといわれています。
表面が硬く内部が柔らかい独特の食感が特徴で、シンプルな味であることからフランス料理の主食とされるほか、サンドウィッチやフレンチトースト、ガーリックトースト、チーズフォンデュなどの料理にも用いられます。
「バゲット」とは、「棒」や「杖」を意味するフランス語を由来とした「フランスパン」の一種で、300~400g前後の生地を長さ70~80cm前後の棒状に成形した「フランスパン」です。
「フランスパン」を代表する最もオーソドックスな種類の「フランスパン」で、日本で「フランスパン」といった場合、この「バゲット」を指すことが多いです。
一方で「フランスパン」には「バゲット」以外にも様々な種類があり、重さ500g前後の生地を50~70cm前後の太めの棒状に成形した「パリジャン」、重さ300g前後の生地を長さ40~50cm前後の太めの棒状に成形した「バタール」、重さ250g前後の生地を長さ50~60cm前後の細めの棒状に成形した「フルート」、「バゲット」や「フルート」に深いクープ(切り込み)を入れて麦の穂のような形状に焼き上げた「エピ」、ライ麦や全粒粉を用いた重さ300g~1kg前後の生地を直径15~30cm前後の丸型やラグビーボール型に成形した「パン・ド・カンパーニュ」、重さ50g前後の生地をキノコ型に成形した「シャンピニオン」など、形状や配合などにより分類されます。
なお、フランスにおいては副材料を用いた菓子パン類を「ヴィエノワズリー」と呼び、主食とする「フランスパン」とは区別することが多いです。