「ボブスレー」と「リュージュ」「スケルトン」の違いは?

「ボブスレー」、「リュージュ」、「スケルトン」は、いずれも氷の上をソリで滑走するウィンタースポーツで、冬季オリンピックの正式種目になっているソリ競技です。
　

「ボブスレー」とは、ランナーと呼ばれる鋼鉄製の刃が4枚付いた強化プラスチック製の箱形ソリを用いて、氷が張った1,200m～1,500mのコースを滑走してタイムを競う競技・スポーツです。
「ボブスレー」は、2人または4人で行う団体競技で、男子は2人乗りと4人乗り、女子は2人乗りの3種目がオリンピックの正式種目として設定されています。
「ボブスレー」は、選手がソリを押して加速をつけて素早く飛び乗ってスタートし、ブレーカーと呼ばれる後方の選手は座った姿勢で頭を下げてソリに乗り、パイロットと呼ばれる最前列の選手が前方2枚のランナーをハンドルで操作してソリをコントロールします。
最高速度は時速140kmに達し、オリンピックなど国際大会で使用される競技用の「ボブスレー」のソリは、フェラーリやBMWなどの自動車メーカーによる開発協力も盛んなことから「氷上のF1」と呼ばれることもあります。

「リュージュ」とは、刃がついたクーヘと呼ばれる木製の足と、シャーレと呼ばれる強化プラスチック製の座席部分を繋いだ小さいソリを用いて、氷が張った1,200m～1,500mのコースを滑走してタイムを競う競技・スポーツです。
「リュージュ」は、1人または2人で行う競技で、男子1人乗り、女子1人乗り、性別を問わない2人乗り、チームリレーの4種目がオリンピックの正式種目として設定されています。
「リュージュ」は、足先を進行方向に選手が仰向けの姿勢でソリに乗り、コースに設置されたグリップを押す反動でスタートし、スパイクのついた手袋で氷をかいて加速し、足首で挟んだクーヘを操作してソリをコントロールします。
最高速度は時速140kmに達し、オリンピック種目で唯一1/1000秒までタイムを計測します。
　

「スケルトン」とは、金属製の極めて簡易な構造のソリを用いて、氷が張った1,200m～1,500mのコースを滑走してタイムを競う競技・スポーツです。
「スケルトン」は、男女とも1人乗りのみの個人種目です。
「スケルトン」は、選手がソリを押して加速をつけて素早く飛び乗ってスタートし、頭を進行方向に選手がうつ伏せの姿勢でソリに乗り、体重移動でソリをコントロールします。
最高速度は時速130kmに達し、過去に事故が多発したことからオリンピックの正式種目からはずされていたこともありますが、ヘルメットやプロテクターなど防具の着用が義務化され、大きな危険がなくなったとして2002年のソルトレークオリンピックから正式種目に復活しています。