「伊勢海老」とは、イセエビ科イセエビ属にに属する甲殻類で、房総半島以南から台湾までの西太平洋沿岸と九州、朝鮮半島南部の沿岸域に分布する大型のエビです。
「伊勢えび」や「伊勢エビ」と表記されることもあります。
「伊勢海老」は、日本料理において祝い事や慶事の席で提供されることが多い高級食材としても知られ、生きたまま刺身にする「活き造り(姿造り)」や、生きたまま炭火などの直火で焼く「残酷焼き」、半身にしてステーキやグラタン風に調理されるほか、パスタやパエリア、サラダ、味噌汁の具材にするなどして食されます。
一方「ロブスター」とは、ザリガニ下目アカザエビ科ロブスター属に属する甲殻類で、大西洋のノルウェーから地中海近辺に分布する「ヨーロピアン・ロブスター」と、カナダからカリブ海までの大西洋西岸に分布する「アメリカン・ロブスター」の2種類の大型ザリガニの総称です。
「ロブスター」はザリガニ類の特徴といえる大きな鋏脚を持っており、これは「伊勢海老」にはありません。
「ロブスター」は、蒸す、焼く、炙るなどの加熱調理をして食すことが一般的で、「伊勢海老」同様半身にしてステーキやグラタン風にしたり、パスタやパエリア、サラダの具材になるほか、殻ごとピューレにしてビスクなどスープの材料にもされます。
「オマール海老」とは、フランスにおける「ロブスター」の呼称「オマール」に、日本語の「海老」を付けた「ロブスター」の別称です。
フランス語の “Homard” は、「ハンマー」を意味し、「オマール海老」の鋏脚がハンマーのように見えることに由来します。
英語の “Lobster” は、広義では大型の歩行型エビ全般を指す総称として使われることもあり、「伊勢海老」も “Japanese spiny lobster” と呼称に「ロブスター」が入ります。
日本において、「伊勢海老」とヨーロピアン・ロブスターやアメリカン・ロブスターを明確に区別するため、「オマール海老」という呼称が使われたとされています。
単に「オマール」や「オマールロブスター」「ウミザリガニ」と呼ばれることもあります。
■ Wikipedia イセエビ
■ Wikipedia ロブスター