「クロアリ(黒蟻)」とも呼ばれる「アリ(蟻)」と、「シロアリ(白蟻)」は、その小さい体長や、群れを作って生活をする社会性昆虫であることなど共通点は多いですが、全く違う生物です。
「アリ」は、ハチ目スズメバチ上科アリ科に属し、幼虫から蛹(さなぎ)を経て形態の違う成虫になる完全変態を行う昆虫です。
一方「シロアリ」は、ゴキブリ目シロアリ科に属し、幼虫状態から活動し、蛹にはならず成虫し、形態も幼虫から成虫までほとんど変化のない不完全変態の昆虫です。
例外はあるもののほとんどの「アリ」は、一生に一度の空中交尾でオスは死んでしまうため、女王アリが一生分の精子を貯精嚢に貯め、その後は交尾をせずに産卵し続けますが、「シロアリ」は、オスの王アリとメスの女王アリがペアになり、巣内で交尾、産卵を繰り返します。
また、産卵時に有精卵と無精卵を産み分けることが可能な「アリ」の女王アリは通常時はメスしか産まず、オスは年に一度の一定期間にしか産まれませんが、「シロアリ」の女王アリはオス、メス同数程度に産卵します。
「シロアリ」の女王アリは、コロニー(巣)が発達してくると、腹部がソーセージのように異様に発達し、他の個体と大きく違う産卵に特化した姿になりますが、「アリ」の女王アリは、他の個体より一回り大きい程度しか外観上の違いがありません。
「アリ」は基本的に捕食性の強い肉食の昆虫で、全ての職蟻が攻撃性が高いことに対して「シロアリ」は主に枯死植物をエサとしている昆虫のため基本的には攻撃性が低くなっています。
そのため「アリ」は「シロアリ」にとって天敵ですが、「シロアリ」は「アリ」にとってはエサとなります。
■ Wikipedia アリ
■ Wikipedia シロアリ
「アリ」ハチ目スズメバチ上科アリ科に属するメス中心の社会性昆虫
「シロアリ」ゴキブリ目シロアリ科に属するオス・メス同数程度の社会性昆虫
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「アリ」と「シロアリ」の違いは?