「くず餅」、「わらび餅」は、いずれもデンプンを用いた透明・半透明の柔らかい和菓子で、製法・外観ともに似ていることから混同されることも多い和菓子です。
「くず餅(くずもち)」とは、秋の七草のひとつに数えられるマメ科の多年草「クズ」から抽出したデンプンを精製した「葛粉(くずこ)」を主原料とした和菓子です。
漢字では「葛餅」と書き、葛粉に水と砂糖を加えて加熱し、デンプンを糊化したものを冷やし固めたものが一般的です。
「くず餅」は、瑞々しくつるっとした喉越しが特徴で、きな粉や黒蜜をかけて食されることが多いです。
関東では、同じく「くずもち」と呼ばれる和菓子で小麦粉を乳酸菌で発酵させたデンプンを用いたものがありますが、葛粉を用いた「くず餅」と区別するため「久寿餅」と漢字表記されることが多いです。
「わらび餅(わらびもち)」とは、山菜として知られるコバノイシカグマ科のシダ植物「ワラビ」から抽出したデンプンを精製した「蕨粉(わらびこ)」を主原料とした和菓子です。
漢字では「蕨餅」と書き、蕨粉に水と砂糖を加えて加熱し、デンプンを糊化したものを冷やし固めたものが一般的です。
「わらび餅」は、ぷるっとした弾力ともっちりした食感が特徴で、「くず餅」同様きな粉や黒蜜をかけて食されることが多いです。
植物のワラビから採取できる蕨粉がわずかで高価なことから、サツマイモやタピオカからとれるデンプンや葛粉を混ぜて作られることが多いです。
そのため、蕨粉のみを用いた「わらび餅」は「本わらび餅」と呼び分けられることも多く、「本わらび餅」は黒や茶褐色に近い色をしています。
■ Wikipedia 葛餅
■ Wikipedia わらびもち
「くず餅」…クズのデンプンを主原料とした和菓子
「わらび餅」…ワラビのデンプンを主原料とした和菓子
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