企業の決算時期になるとよく耳にする「営業利益」や「経常利益」、「純利益」ですが、これらはすべて計算も意味も違います。
「営業利益」は「会社の本業での儲け」を表します。
売上高から原価と経費(人件費や広告宣伝費など)を差し引いたものになります。
売上高がよくても、経費がかさむと営業利益は少なくなります。
「経常利益」は「会社事業全体の儲け」を表します。
「営業利益」に本業以外での収支を加味して計算します。
本業以外での収支とは、受取利息などの営業外収益や、銀行に支払う借入利息などの営業外費用などがあります。
つまり本業が順調でも、借入金の返済や利息負担が多いと「経常利益」は少なくなります。
「純利益」は「税引き後最終利益」や「当期純利益」などともいわれ、「経常利益」にさらに「特別利益」「特別損失」などの「特別損益」を加味し、さらにそこから税金を差し引いたものになります。
「特別損益」とは、本業以外での収支で、継続的でない臨時的・例外的な収益のことで、例えば不動産などの売却益や、災害による損失などがこれにあたります。
「営業利益」、「経常利益」、「純利益」ともに大事な指標ですが、日本で最も重要視されているのは「経常利益」です。
「営業利益」は本業の業績のみに左右されますが、「経常利益」は会社の資産運用や借金など、事業全体にかかわる数字だからです。
ですから、最終利益の「純利益」が赤字でも、「経常利益」が黒字であれば、特別損失で赤字になっただけで会社の業績自体は悪くないと考えられるからです。
しかし、海外では株主資本に影響する「純利益」を重視する考え方もあります。
「営業利益」は売上高から原価と経費を差し引いた「会社の本業での儲け」
「経常利益」は「営業利益」から営業外費用を差し引いた「会社事業全体の儲け」
「純利益」は「経常利益」から特別損益や税金を差し引いた「最終的な当期の純利益」
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「営業利益」と「経常利益」「純利益」の違いは?