インクジェットプリンターのインクは一般的に「染料インク」と「顔料インク」の二種類があります。
プリンターに限ったことではありませんが、着色剤のうち溶剤に溶けるものを「染料」、溶けないものを「顔料」といいます。
プリンター以外では、「染料」は繊維を染めるために、「顔料」は塗料や化粧品などで多く用いられています。
プリンターで使われる場合の特徴は、「染料インク」は発色がよく写真などの印刷に優れている反面、光や空気に触れると色褪せしやすいといった短所があります。
一方「顔料インク」は逆に耐光性や耐水性に優れており、文字の輪郭やコントラストがはっきり表現できるといった長所がありますが、プリントヘッドのノズルが目詰まりしやすいというデメリットがあります。
以上のように、写真印刷には「染料インク」、文書印刷には「顔料インク」が適しているため、プリンターメーカーは様々な方法でそれぞれのインクを使い分け、短所を補う工夫をしています。
顔料系プリンター、染料系プリンターをそれぞれ発売しているセイコーエプソン社は、「顔料インク」の写真印刷の際に無色インクを吹き付け、「染料インク」並みの美しさに仕上がるようにしています。
キヤノン社は、ひとつのプリンターに「染料インク」のカラーインク、「染料インク」「顔料インク」両方の黒インクを搭載。
モノクロ印刷とカラー印刷で、自動でインクを使い分ける製品を発売しています。
CANONプリンターのインク「BK」と「PGBK」の違いは?
もあわせてお読みください。
■ Wikipedia 染料
■ Wikipedia 顔料
■ CANON公式 PIXUS
■ EPSON公式 カラリオ
溶剤に溶ける「染料インク」は発色がよく写真印刷に適している
溶剤に溶けない「顔料インク」は耐光性や耐水性に優れており、文書印刷に適している
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「染料インク」と「顔料インク」の違いは?