「ワンボックス」、「ミニバン」は、いずれも自動車のボディ形状を表す用語ですが、両者に明確な定義はありません。
「ワンボックス」とは、「ワンボックスカー(1Box Car)」の略で、独立したエンジンルームやトランクルームなどを持たず、側面から見た車体が、ひとつの箱の形状をした車を指します。
ボンネットがない、または極めて短いボンネットしかなく、エンジンを運転席の下に配置したキャブオーバーという構造のものが一般的です。
これに対してエンジンルーム、トランクルームがそれぞれ独立したセダン車などを3Box、エンジンルームのみ独立したハッチバック車などを2Boxと呼ぶこともあります。
「ミニバン」とは、おもに多人数乗車を目的とした乗用車で、日本においては、3列シートを備え、後部座席が両側スライドドアのファミリーカーを指すことが多いですが、規格や技術的な定義はありません。
エンジンは運転席の前方に配置したものが多く、ボンネットを持つ2Boxや、短いボンネットの1.5boxと呼ばれるボディ形状をした車が一般的です。
「ミニバン」の呼称は、1983年にアメリカのクライスラー社が発売したダッジ・キャラバンが、フルサイズのダッジ・ラムバンと比較して小型であったことから「ミニバン」と呼ばれたことに由来します。
ダッジ・キャラバンに対抗してゼネラルモーターズ社が1985年に発売した「ミニバン」のシボレー・アストロが日本に並行輸入されてブームとなると、日本の自動車メーカーも「ミニバン」という分類で多数の車種を投入し、日本ではひとつのカテゴリーとして定着しました。
トヨタ自動車のノア、日産自動車のセレナなど「ワンボックス」から派生した車種も多いことや、乗用車に用いられることが多い「ワゴン」ではなく、商用車に用いられることが多い「バン」が名称に入ることも「ミニバン」のカテゴリーが不明瞭な一因といえます。
■ Wikipedia ワンボックスカー
■ Wikipedia ミニバン