ホンダ(本田技研工業)が「NEW NEXT NIPPON NORIMONO」のキャッチフレーズで生産、販売する軽自動車Nシリーズの第一弾モデルとして2011年12月に発売された「N-BOX(エヌボックス)」と、2012年7月に「新しい可能性をプラスする」をコンセプトに発表された「N-BOX+(エヌボックスプラス)」は、いずれも燃料タンクを車両中央に配置したセンタータンクレイアウトのシャーシによるトールワゴン型軽乗用車(軽ミニバン)です。
「N-BOX」と、その派生車種である「N-BOX+」の最大の違いは、リアシート後方荷室(ラゲッジスペース)の大きさになります。
リアゲート開口部における路面と床の間隔は、「N-BOX」が480mmなのに対して「N-BOX+」は330mmと150mmも低くつくられています。
これは「N-BOX+」が、荷室後部の床を掘り下げ、後方に向けて傾斜しているためで、これにより自転車や車いすの積み下ろしが楽にできるように配慮されています。
これにともないリアゲート開口高も「N-BOX」が1200mmに対して「N-BOX+」は1350mmと、120mm大きくなっています。
このため、フロントビューなどの外観上、ほとんど違いのない両車種ですが、リアゲートのみ「N-BOX+」はバンパー最下部まで切れ込んでおり、これが唯一の外観上の違いとなっております。
この他「N-BOX+」は、荷物を積載するための様々な工夫がされており、床を水平にできる「マルチボード」を使用することにより、フラットな荷室と下段のアンダーボックスに分離して使用することができるなど多彩な機能が備わっています。
一方、荷室の広さを確保するため、後部座席を「N-BOX」よりも前方に配置したため、乗車快適性では「N-BOX」に軍配が上がります。
また、燃費の上でもカスタムG・Lパッケージ(2WD)同士で比較すると、「N-BOX」が22km/L、「N-BOX+」が21.2km/Lと、わずかですが「N-BOX」のほうがよくなっています。(ただし、タイヤサイズの変わるターボ車では逆転します。)
価格は、それぞれのグレードで「N-BOX+」が約10万円程高くなっています。
大人4人で乗るといった、乗用車としての使用が主なら「N-BOX」、たくさん荷物を積んでレジャーに行く、車いすを積むなど積載を主に考えるなら「N-BOX+」という選択になるのではないでしょうか?
両車あわせて、2012年度から2年連続で軽四輪車新車販売台数No.1の「N-BOX」と「N-BOX+」は、同じ車種でありながら、異なるターゲットを見据えた派生車種ということになります。
■ Wikipedia ホンダ・N-BOX
■ 公式 N-BOX│Honda
■ 公式 N-BOX +│Honda