「豚の角煮」、「ラフテー」、「トンポーロウ」は、いずれも豚肉を醤油などの調味料と共に煮込んだ料理で、調理方法、味、外観ともに類似しており、地域や文化、提供される店舗などによって定義が異なるものの、概ね以下のような違いがあります。
「豚の角煮」とは、ブロック状の豚ばら肉を角切りし、酒、醤油、砂糖、みりんなどの調味料、生姜やネギなどの香味野菜を加えて柔らかく煮込んだ料理です。
ゆで卵や大根、ホウレンソウなど他の食材と一緒に煮込まれることや、盛りつけ時に細かく千切りにした白ネギ、からしなどが添えられることもあります。
「豚角煮」や、単に「角煮」と呼ばれることもあります。
「ラフテー」とは、「豚の角煮」に類似した沖縄県の郷土料理です。
皮付きの豚ばら肉を用い、鰹出汁、泡盛、醤油、黒砂糖などを加えて煮込んだものが一般的で、「豚の角煮」と比較して皮の部分がプルプルと柔らかく煮込まれているものが多いです。
盛りつけ時に、細かく千切りにした生姜が添えられることがあります。
なお、「ラフテー」は、漢字で「羅火腿」と書きます。
「トンポーロウ」とは、「豚の角煮」、「ラフテー」に類似した中華料理です。
「ラフテー」同様、皮付きの豚ばら肉を用いたものが一般的で、一度揚げる、茹でる等の加熱調理をした上で酒、醤油、砂糖と、八角や五香粉などの香辛料を加えて煮込んだものが一般的で、「豚の角煮」や「ラフテー」と比較して多量の砂糖で甘く味付けされたものが多いです。
煮崩れを防ぐためにたこ糸を十字に縛ることも多く、糸を外さず盛りつけられる場合もあります。
「トンポーロウ」は、「豚の角煮」や「ラフテー」、また、長崎県の郷土料理「東坡煮(とうばに)」の起源ともいわれています。
なお、「トンポーロウ」は、漢字で「東坡肉」と書きます。
■ Wikipedia 角煮
■ Wikipedia ラフテー
■ Wikipedia 東坡肉