日本料理の形式である「懐石料理」と「会席料理」は、どちらも「カイセキリョウリ」と読む同音のため混同されがちですが、近世以降は明確に区別されています。
「懐石料理」は、お茶を楽しむためのものです。
「懐石料理」の「懐石」とは、禅寺で修行僧が空腹や寒さをしのぐため温めた石を懐に入れた故事に由来します。
転じて、茶の席で出す一時の空腹しのぎ程度の軽い料理、客人をもてなす料理の事を指し、茶事の一環であり、茶を喫する前に出される軽い食事のことを「懐石料理」というようになったとする説が有力です。
ちなみに、「懐石」という言葉には「料理」という意味が含まれているため「懐石料理」とするのは間違いという指摘もあります。
また、「会席料理」との混同を避けるため「茶懐石」といった呼称がつかわれる場合もあります。
「会席料理」は、お酒を楽しむためのものです。
「会席料理」の「会席」とは、もともと連歌や俳諧の席のことを指し、一汁三菜(吸い物・刺身・焼き物・煮物)を基本に、お通し、揚げ物、蒸し物、和え物、酢の物などの酒肴が加えられ、最後に飯、味噌汁、香の物、水菓子と、日本料理においては儀式などで提供される本膳料理に次いで正統な料理形式といえます。
■ Wikipedia 懐石
■ Wikipedia 会席料理
「懐石料理」お茶を楽しむための料理形式
「会席料理」お酒を楽しむための料理形式
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「懐石料理」と「会席料理」の違いは?