「シルク」とは、チョウ目カイコガ科に属する昆虫「蚕(かいこ)」のサナギを保護する「繭(まゆ)」から製糸した動物繊維のことで、日本語では「絹(きぬ)」といいます。
絹を用いて織られた絹織物も「シルク」と呼ばれることが多く、「シルク」の生地は、軽くしなやかで、独特の光沢があり、柔らかいのに丈夫であるという特徴があります。
植物繊維の麻と並び、最古の天然繊維である「シルク」は、紀元前4,000~3,000年頃にはすでに生産され、高級素材として取引されており、ユーラシア大陸に広がる当時の交易路「シルクロード」の呼称の由来にもなっています。
一方「サテン」とは、絹やナイロン、レーヨン、ポリウレタン、ポリエステルなどの糸を用いた織物、生地のことで、日本語では「本繻子織り(ほんしゅすおり)」といいます。
「サテン」生地は、光沢があるのが特徴で、衣類の裏地や、スカジャン、チャイナドレスなどに用いられます。
「シルク」を生地にする場合、本繻子織りが用いられることが多いため、「シルク」と「サテン」が混同されることも少なくありませんが、「シルク」は素材、「サテン」は生地の織り方で、同義語ではありません。
このため、「シルク」を用いた「サテン」を「シルクサテン」、化学繊維を用いた「サテン」を「化繊サテン」と呼び区別することもあります。
「シルクサテン」と「化繊サテン」を、外観で見分けるのは難しいですが、「シルクサテン」は、生地を擦り合わせると「キュッ、キュッ」と音が鳴ります。
この音は、絹鳴りと呼ばれる「シルク」特有のもので、繊維の断面が三角形に近い形状で、擦り合わせたときに繊維同士が引っ掛かりあうために発生します。
「化繊サテン」ではこの音は鳴らないため、擦り合わせることで判別することが可能です。
■ Wikipedia 絹
■ Wikipedia 本しゅす