「昆布茶」、「コンブチャ」は、いずれも「こんぶちゃ」と読む飲料ですが、全く別の飲料です。
「昆布茶」とは、昆布を乾燥して細かく刻んだり粉末にしたものに熱湯を注いだ飲料で、塩や砂糖、うま味調味料などを配合したものが一般的です。
正方形の昆布を用いたものや、あられ、唐辛子、乾燥させた梅肉などを入れたものもあり、梅の風味のするものは「梅昆布茶(うめこぶちゃ)」と呼ばれます。
同様に「昆布茶」も「こぶちゃ」と読む場合もあります。
祝いの席などでにおいては、「お茶を濁す」というあまりよい印象がない言葉を連想させる「お茶」の代わりの飲み物として、昆布が語呂合わせで「よろこぶ(喜ぶ)」に通じることから「昆布茶」が用いられることが多いです。
「コンブチャ」とは、紅茶や緑茶、ウーロン茶などに、砂糖とゲル状の菌を加えて発酵させた乳酸菌飲料で、モンゴル発祥の発酵飲料「チャイヌイ・グリプ」がルーツとされています。
「チャイヌイ・グリプ」には、乳酸菌や消化酵素、タンパク質分解酵素などが豊富に含まれており、免疫機能を高める効果があることなどから健康食品としてロシアで「ロシアンティー・マッシュルーム」と呼ばれ流行します。
その後日本にも「紅茶キノコ」の和訳で輸入され、昭和40年代末~50年代初頭にかけてブームになります。
キノコが使用されているわけではありませんが、表面に浮かぶゼラチン状の菌の塊がキノコに見えることが名称の由来とされています。
「紅茶キノコ」は、欧米では「コンブチャ(Kombucha)」と呼ばれ、マンゴーやストロベリー、ローズヒップなど様々なフレイバーのものが商品化されており、ファッションモデルのミランダ・カーさんらが愛用していることから近年ブームが再来しています。
欧米で「コンブチャ」と呼ばれるようになった由来には諸説ありますが、ゼラチン状の菌を海藻(昆布)と勘違いし「昆布茶」と混同したとされる説が有力です。
なお、一般的な「コンブチャ」に昆布の成分は一切入っていません。
■ Wikipedia 昆布茶
■ Wikipedia 紅茶キノコ