ベニヤ板構造用合板コンパネは、いずれも建築土木などで用いられる材木で、混同されることも多いですが厳密には別のものを指します。

 

ベニヤ板

ベニヤ板」とは、天然木材を薄くスライスして作った単層の板材で、日本語では「単板(たんばん)」といいます。
「サブロクバン」と呼ばれる3尺(910mm)×6尺(1820mm)の寸法で、厚さ0.6~3mmのものが一般的ですが、用途により様々な寸法、厚みのものが製品化されています。
木目が美しく表面が滑らかなシナ材を用いた「シナベニヤ」や、耐水性に優れたラワン材を用いた「ラワンベニヤ」などが代表的な「ベニヤ板」です。
複数の「ベニヤ板」繊維方向を直角に交差させながら重ねて接着したものは「ベニア合板」と呼ばれます。
なお、アルファベットでの綴りは “Veneer” で「ベニア板」と表記されることもあります。

 

構造用合板

「構造用合板」とは、「ベニヤ板」を複数貼り合わせて作る合板の一種で、建築物の構造部分に用いられるJAS(日本農林規格)で定められた合板です。
「ベニヤ板」と同じく「サブロクバン」と呼ばれる3尺(910mm)×6尺(1820mm)の寸法で、厚さは12mmのものが一般的ですが、用途により様々な寸法、厚みのものが製品化されており、建築物の屋根の下地材をはじめ、幅広い場所で建材として用いられています。
JASでは、接着性能を特類、1類の2種類で、強度を1級、2級の2等級で、板面品質をA~Dの4段階で表板と裏板それぞれA-B、A-C、A-D、B-B、B-C、B-D、C-C、C-D、D-Dの9品質で分類するほか、ホルムアルデヒド放散量などもF☆~F☆☆☆☆の4段階で規定しています。

 

コンパネ

「コンパネ」とは、「ベニヤ板」を複数貼り合わせて作る合板の一種で、コンクリート型枠用合板「コンクリートパネル」の略称です。
鉄筋コンクリートなどのコンクリートを流し込むための型枠として使用することを目的に作られた合板のため、耐水性が高く安価であるのが特徴で、ホルムアルデヒド放散量は上位等級のF☆☆☆がないF☆~F☆☆☆の3段階で規定されています。
「ベニヤ板」「構造用合板」より少し小さい900mm×1800mmの寸法、厚さは12mmのものが一般的で、コンクリートから剥がしやすいよう片面に剥離剤の樹脂塗装されたものもあります。

用途の定まっていない「合板」を、「構造用合板」「コンパネ」と区別するために「普通合板」や「ベニア合板」と呼ぶこともあります。
また、「構造用合板」「コンパネ」なども含めた合板を単に「合板」と呼ぶことや、「ベニヤ板」や「ベニア合板」が「ベニヤ」と略されることもあるため、「ベニヤ板」「構造用合板」「コンパネ」が混同される一因にもなっているといえます。


■ Wikipedia ベニヤ
■ Wikipedia 構造用合板
■ Wikipedia コンクリートパネル
■ 合板の日本農林規格

「ベニヤ板」…天然の木材を薄くスライスして作った単層の板材
「構造用合板」…建築物の構造部分に用いられるJASで定められた合板
「コンパネ」…コンクリート型枠用合板「コンクリートパネル」の略称

「ベニヤ板」と「構造用合板」「コンパネ」の違いは?
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