「Harris Tweed」とは、イギリスのスコットランド西岸に連なるアウター・ヘブリディーズ諸島に属するハリス&ルイス島で生産されるツイード生地で、カタカナでは「ハリスツイード」や「ハリスツィード」と表記されます。
スコットランド産の羊毛を島内で染色、紡績し、職人によって手織りされたもので、ハリスツイード協会によって決められた基準をクリアした高品質なもののみが「Harris Tweed」と呼ばれ、ロゴ入りの認証ラベルをつけることができます。
「Harris Tweed」のロゴは、イギリス王室の王位を象徴する標章「オーブ(宝珠)」をモチーフにデザインされており、英国を代表する伝統的な織物として世界中で知られています。
一方「Vivienne Westwood」とは、イギリス出身の女性ファッションデザイナー、および自身の名を冠したファッションブランド名で、カタカナでは「ヴィヴィアンウエストウッド」と表記されます。
1971年、マルコム・マクラーレン氏と共に、ロンドンのキングスロード430番地にブティック「Let It Rock」をオープン、1972年に「Too Fast to Live, Too Young to Die」、1974年に「SEX」と店名を変更、1975年に店の常連客と従業員で結成させたパンクロックバンド「Sex pistols(セックスピストルズ)」をマルコム氏と共にプロデュースします。
Sex pistolsは、1970年代後半のパンクムーヴメントの中心的なバンドとして大成功を収め、「Vivienne Westwood」がデザインした過激な衣装は前衛的で反抗的なパンクファッションのスタイルを流行させ、「Vivienne Westwood」は「パンクの女王」と呼ばれるようになります。
1976年に「Seditionaries」、1979年に「World’s End」と店名を変更、この頃から徐々にアンダーグラウンドシーンから表舞台へとシフトしていき、1981年に初のキャットウォーク、1983年にパリコレクション発表、1987年に「伝統をもって未来を創る」というコンセプトの元「Harris Tweed」の生地を用いたコレクションを発表します。
1992年には、エリザベス女王より「大英帝国勲章」を受賞、2006年には、イギリス人デザイナーとして初めてDameの称号を与えられます。
「Vivienne Westwood」のロゴも、「Harris Tweed」同様、イギリス王位の象徴「オーブ」をモチーフにデザインされていますが、土星の輪のようなデザインをあしらったパロディー風なものになっています。
なお、World’s Endは現在もキングスロード430番地で営業を続けています。
■ Wikipedia ハリスツイード
■ Wikipedia ヴィヴィアン・ウエストウッド