「水牛」、「バッファロー」、「バイソン」は、すべてウシ目ウシ科ウシ亜科の1グループ「ウシ族」に属する牛の仲間です。
「水牛」とは、ウシ目ウシ科アジアスイギュウ属に属するウシ族の総称です。
水辺を好むアジアスイギュウ属は、インド、ネパール、ブータン、タイなどの河川や湖周辺の草原、沼地に野生の個体が分布し、アジアの多くの地域では家畜としても飼育されています。
野生種では体長240~300cm、肩高150~190cm、体重700~1,000kg程度の個体が多く、雌雄ともに大きな三日月形の角を持っています。
家畜用としては、肉、乳、革を得る他、水田などでの労働力としても用いられます。
「バイソン」とは、ウシ目ウシ科バイソン属に属するウシ族の総称です。
アメリカ合衆国、カナダ南部などに分布する「アメリカバイソン」はオスで体長290~380cm、肩高160~190cm、体重800~1,200kg程度、メスで体長210~320cm、肩高150~160cm、体重300~600kg程度の個体が多く、ポーランド、ロシア南西部などに分布する「ヨーロッパバイソン」はオスで体長250~350cm、肩高150~190cm、体重650~1,000kg程度、メスで体長210~280cm、肩高140~160cm、体重300~600kg程度の個体が多いです。
開発による生息地の破壊や食用の乱獲により、ヨーロッパバイソンの野生個体は絶滅、動物園などで繁殖された個体が残るのみで絶滅危惧種に指定されており、アメリカバイソンの野生個体も激減、準絶滅危惧種に指定され保護区域内に生息するものがほとんどです。
「バッファロー」とは、英語で “buffalo” と書き、「水牛」を意味します。
広義では、サハラ砂漠以南のアフリカ大陸に広く分布するアフリカスイギュウ属(African Buffalo)などを含めた水辺を好むウシ族の総称として用いられることもあり “water buffalo” と表記されることもあります。
なお、アメリカ合衆国では、「バイソン」を「バッファロー」や「アメリカンバッファロー」と呼ぶこともありますが、厳密には間違いといえます。
また、「バッファロー」、「バイソン」を含めた野生の牛が一律に「野牛」と日本語訳されることもあり、「水牛」、「バッファロー」、「バイソン」が混同される一因になっているといえます。
■ Wikipedia スイギュウ
■ Wikipedia バイソン属