「脅迫」とは、目的を問わず相手を脅し威嚇する行為のことです。
日本の刑法では第222条において脅迫罪は
1. 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2. 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
と定められています。
つまり、脅迫罪は相手、または親族の生命などに対する害悪の告知がないと成立しません。
すなわち「あなたの子どもを殺害する」という「脅迫」は脅迫罪として成立しますが「あなたの友人を殺害する」という「脅迫」は脅迫罪として成立しません。
脅迫罪にあたらない「脅迫」の場合でも、強盗や強姦の手段として「脅迫」が行われた場合、「強盗罪」や「強姦罪」が成立、義務のないことを強制することで「強要罪」が成立します。
一方「恐喝」とは、暴力や「脅迫」によって相手を畏怖させ、金銭や財物を脅し取る犯罪です。
日本の刑法では第249条において恐喝罪は
1. 人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2. 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
と定められています。
恐喝罪は、脅迫罪と異なり害悪の告知に制限はありません。
したがって「あなたの友人を殺害する」という「脅迫」によって金銭などを脅し取った場合でも恐喝罪が成立します。
なお「脅迫」と同音の「強迫」は、刑法上の用語ではなく民法上の用語です。
暴行、監禁、害悪の告知など表意者に恐怖を抱かせた「強迫」による意思表示は瑕疵あるものとされます。
■ Wikipedia 脅迫
■ Wikipedia 脅迫罪
■ Wikipedia 恐喝罪
■ Wikipedia 強迫