美術用語としての「スケッチ」「デッサン」「クロッキー」は、国や地域、専門家により解釈の違いもあるため明確な定義はありませんが、日本では一般的に以下のように区分されています。
「スケッチ」とは、人物や風景などを大まかに描写することをいいます。
英語の “sketch” を語源としており、日本では「写生」といわれることもあります。
主に鉛筆を使用し、スケッチブックに描き留めることをいいますが、彩色を行う場合もあり、「スケッチ」をもとに、水彩や油彩の作品に仕上げることもあります。
「クロッキー」とは、主に人物や動物など動きのあるものを素早く簡潔に線のみで描写することをいいます。
フランス語の “croquis” を語源としており、日本では「速写」といわれることもあります。
「クロッキー」も「スケッチ」の一種といえますが、一般的には最長でも10分程度までの短時間で描くこと、描かれたものを指します。
「クロッキー」と「スケッチ」に関しては、「クロッキー」から「スケッチ」に移行することや、単に英語とフランス語の違いとされる場合もあるなどその定義は曖昧です。
「デッサン」とは、物体の形状、質感、明暗、位置関係などを意識しながら、時間をかけて平面に描画することをいいます。
フランス語の “dessin” を語源としており、日本では「素描」といわれることもあります。
「デッサン」には、鉛筆や木炭、コンテなどが用いられ、モノトーン表現であることが一般的です。
「デッサン」には図画、製図、図柄、模様、下絵、輪郭、設計図など美術用語以外にも幅広い意味が含まれており、建築や工業製品の世界でも使われることが多い言葉です。
■ Wikipedia スケッチ
■ Wikipedia 写生
■ Wikipedia 素描
■ Wikipedia クロッキー