「スーダン」と「南スーダン」の違いは?

「スーダン」とは、北アフリカにある共和制国家で、正式名称を「スーダン共和国」といいます。
1956年にイギリスとエジプトの共同統治下から独立した国連加盟国です。
人口約4,300万人、国土面積は約185万km2、首都はハルツームで公用語はアラビア語・英語です。
国境は北側でエジプトと、東側でエリトリア、エチオピアと、南側で「南スーダン」と、西側でリビア、チャド、中央アフリカ共和国と隣接しており、東側の北部は紅海に面しています。
イギリス・エジプト共同統治下の「スーダン」では、1924年以降イスラム教を信仰するアラブ系住民が多い北部と、アニミズム(原始宗教)やキリスト教を信仰するアフリカ系住民が多い南部を分断して統治する植民地政策が採用されていました。
このため、イギリス・エジプト共同統治下からの独立後も、2005年に南北包括和平合意が結ばれるまで半世紀近く南北間の内戦が絶えませんでした。

「南スーダン」とは、東アフリカにある共和制国家で、正式名称を「南スーダン共和国」といいます。
2011年に「スーダン」から独立した国連加盟国です。
人口約1,120万人、国土面積は約62万km2、首都はジュバで公用語は英語です。
国境は北側で「スーダン」と、東側でエチオピアと、南側でケニア、ウガンダ、コンゴ民主共和国と、西側で中央アフリカ共和国と隣接しており、海には面していない内陸国です。
南北包括和平合意後に6年間の自治権が与えられた南部スーダンでは、2011年に「スーダン」からの分離独立の是非を問う住民投票が行われ、独立を求める票が圧倒的支持を得たことから南部の10州が分離独立、2022年現在国連が独立承認した中で最も新しい国となっています。
「南スーダン」の独立後も、「スーダン」との国境付近にある油田地帯の帰属を巡った紛争や、「南スーダン」内でも政権に対する不満から勃発する反政府勢力と政府軍の武力衝突などが繰り返されており、多くの国民が難民となり近隣国への避難を余儀なくされています。