「ハイエナ」、「リカオン」は、外観や生態、分布域が似ていることから混同されることもありますが、それぞれ別の動物です。
「ハイエナ」とは、食肉目ハイエナ科に属する哺乳類の総称です。
真性ハイエナと呼ばれる肉食の「ブチハイエナ」、「シマハイエナ」、「カッショクハイエナ」と、昆虫食の「アードウルフ」の4種に分類され、代表種の「ブチハイエナ」は、サハラ砂漠以南のアフリカ大陸に広く分布しており、「マダラハイエナ」と呼ばれることもあります。
成体で、体長100~180cm、尾長25~35cm、体重45~90kg程度の個体が多く、体毛は茶褐色や灰褐色に黒色や黒褐色の斑点模様が入っています。
メスをリーダーとした数十頭構成の「クラン」と呼ばれる群れで活動することが多く、群れで狩りを行います。
「ハイエナ」は、ライオンなど他の肉食動物の食べ残しや屍肉を漁ったり、獲物を横取りするイメージが一般的に定着していますが、大型のブチハイエナは俊敏で自ら獲物を捕獲することも多い動物です。
一方「リカオン」とは、食肉目イヌ科リカオン属に属する哺乳類です。
サハラ砂漠以南のアフリカ大陸に広く分布しており、成体で、体長75~110cm、尾長30~40cm、体重18~36kg程度の個体が多く、体毛は黄褐色や茶褐色に黒色や白色の不規則なまだら模様が入っています。
メスをリーダーとした十頭前後で構成される「パック」と呼ばれる群れで活動することが多く、群れで狩りを行います。
他の動物の食べ残しや屍肉を食べることはほとんどなく、自ら獲物を捕獲することが多い動物です。
「リカオン」は、家畜を襲う害獣扱いされることもありますが、交通事故や人間による駆除、環境破壊による生息地の減少、イヌからの伝染病などにより生息数が減少しており、絶滅危惧種としてレッドリストに登録されています。
■ Wikipedia ハイエナ
■ Wikipedia リカオン