「ボンレスハム」、「ロースハム」は、いずれも豚肉を塊のまま塩漬け、燻煙、加熱した加工食品です。
「ボンレスハム」とは、骨を抜いた豚のもも肉を塊のまま香辛料や調味料とともに塩漬けし、ケーシングなどに詰めて整形し、燻煙、加熱した加工食品です。
スライスしてそのままオードブルにされたり、サラダやサンドイッチの具材にされるほか、加熱してハムエッグやハムカツ、ハムステーキ、細かく刻んでポテトサラダやオムレツ、炒め物の具材などにも用いられます。
一方「ロースハム」とは、豚のロース肉を塊のまま香辛料や調味料とともに塩漬けし、ケーシングなどに詰めて整形し、燻煙、加熱した加工食品です。
「ロースハム」は、日本在住のドイツ人実業家アウグスト・ローマイヤー氏によって1921年に考案された日本発祥のハムです。
赤身が多いもも肉を用い、あっさりして肉感がある「ボンレスハム」と比較して、肉のきめが細かく適度に脂肪を含んだロース肉を用いた「ロースハム」は旨味があり柔らかく、色合いも「ボンレスハム」に比べて薄いピンク色をしています。
「ボンレスハム」同様にスライスしてそのまま食されることもありますが、脂身の甘味を引き出すために加熱調理にむいているといえます。
なお、ロース肉とは背肉のことで、英語の “ham” は、本来豚のもも肉を指す単語のため「ロースハム」は英語圏では通じない和製英語になります。
一方で、「ボンレスハム」は、「骨なし」を意味する “boneless” をカタカナ表記したもので、「骨付きハム “bone in ham” 」の対義語として英語圏でも用いられる呼称です。
■ Wikipedia ハム
■ Wikipedia ロースハム
■ 農林水産省 熟成ハム類の日本農林規格