コンロや給湯器などのガス燃焼機器をはじめ、様々な用途で供給されるガスですが、供給方法により「都市ガス」と「LPガス」に分別されます。
「都市ガス」は、電気や水道といった他のライフラインと同様、ガス供給事業者から主に公道などの地中に埋設された配管を通し、気体で各家庭に供給されます。
「都市ガス」の主な成分はメタンで、空気より軽い性質を持ち、接続するゴム管はブルー、またはベージュです。
一方「LPガス」は、liquefied petroleum gasの略で日本語では「液化石油ガス」とも呼ばれ、ガスを冷却し液化した状態でボンベに詰め、各家庭等の敷地内に設置されます。
マンションや団地単位で一か所に大規模なボンベ室を設け、そこから配管で各家庭に供給する集中プロパン・集合プロパンという方式も「LPガス」に分類されます。
「LPガス」の主な成分はプロパンとブタンで、「プロパンガス」と呼ばれることもあります。
「都市ガス」とは逆に「LPガス」は空気より重い性質を持ち、接続するゴム管はオレンジ色です。
「都市ガス」と「LPガス」は主成分も性質も違うため、使用する機器はそれぞれ専用の機器が必要ですが、引越等で供給ガスの変更があった場合、業者による改造・調整で対応できる場合もあります。
「都市ガス」のメリットは、配達の必要な「LPガス」に比較するとランニングコストが低く設定されているところがあげられますが、各事業者が独占的な営業地域を持つため、引込や屋内の配管工事費、機器の設置費等は比較的高額に設定されている場合が多いです。
逆に「LPガス」は、集中プロパンや地域による制約がない限り、自由に契約ができるため、配管工事費や機器の設置費用を値引きする業者も多く、初期投資が抑えられるというメリットがあります。
しかし、その後のランニングコストは「都市ガス」に比べると割高な場合がほとんどです。
また「都市ガス」は、一般的に都市部や、住宅が密集している地域にしか供給されていませんが、「LPガス」は過疎地域でも個別で使用できるというメリットもあります。
ちなみにライターやカセットボンベなどもブタンを主成分とした「LPガス」の一種です。
近年ではタクシーを中心に「LPガス」を燃料にしたLPガス自動車も普及してきています。
■ Wikipedia 都市ガス
■ Wikipedia 液化石油ガス