「コントラバス」と「ウッドベース」は、結論からいうと同じ楽器です。
「コントラバス」とは、おもに低音域用の大型の弦楽器のことです。
全長約170~200cm程度、弦の実効長約95~120cm程度と弦楽器の中では最大級で、4本の弦を持つものが一般的です。
ヴァイオリンやヴィオラ、チェロなどの「ヴァイオリン属」の楽器に形状が似ているものの、「コントラバス」は「ヴィオラ・ダ・ガンバ」というフレットのある弦楽器を源流に持つ「ヴィオール属」の楽器で、「ヴァイオリン属」の楽器より古い歴史を持ちます。
ヴァイオリンのように弓を用いて演奏されるほか、指で弾く奏法もあります。
「コントラバス」は、クラシック音楽のオーケストラに編成されるほか、ジャズやポップス、ロカビリー、ロック、カントリーなど様々なジャンルで用いられます。
また、「コントラバス」の呼称はジャンルや地域、文化によりアップライトベース、ダブルベース、スタンドアップベース、ストリングベース、アコースティックベース、ベースヴァイオリン、ベースヴィオール、ベースフィドル、弦バスなど多種多様で、単に「ベース」と呼ばれることもあります。
「ウッドベース」とは、おもにジャズ等で使われる「コントラバス」の呼称のひとつで、日本以外ではでは通じない和製英語です。
日本においては、弓を使用して「コントラバス」を弾くクラシック音楽に対し、ジャズをはじめポップスやロックなどクラシック音楽以外のジャンルで指で弾く場合に「ウッドベース」と呼ぶことが多いです。
またロカビリーやカントリーなどのジャンルでは、弦を叩いて音を鳴らす「スラップ奏法」も用いられます。
なお、「コントラバス」は、「バスの1オクターブ低い音」を意味しており、「コントラバスクラリネット」「コントラバスリコーダー」などのように、楽器の音域を表す音楽用語として使われることもあります。