「メンソレータム」、「メンターム」は、いずれもワセリンが主成分の軟膏を中心とした医薬品・スキンケア商品のブランド・商品名で名称やパッケージの外観が似ていますが、それぞれ別の商品です。
「メンソレータム」とは、アメリカ合衆国のメンソレータム社が開発した軟膏薬のブランド・商品名で、現在は同社を買収した親会社のロート製薬株式会社が製造・販売する軟膏薬のブランド・商品名となっています。
元々「メンソレータム」は、キリスト教の伝道師として来日していたW・M・ヴォーリズ氏が滋賀県近江八幡市で開業した近江セールズ株式会社によって輸入販売が開始され、後に近江兄弟社に社名変更した同社によって日本国内での製造・販売が開始されます。
しかし、1974年に近江兄弟社は経営破綻し、「メンソレータム」の商標・製造販売権などのライセンスはメンソレータム社に返上されます。
翌1975年に「メンソレータム」のライセンスを取得したロート製薬が、1988年にはメンソレータム社を買収、傘下に収め商標と経営権を取得します。
現在は、メンソレータム軟膏やメンソレータム薬用リップスティックなどの代表的な商品をはじめ、200品目以上の製品が発売されています。
「メンターム」とは、滋賀県近江八幡市に本社をおく医薬品メーカー株式会社近江兄弟社が製造・販売する軟膏薬のブランド・商品名です。
前述の通り1974年に経営破綻した近江兄弟社は、「メンソレータム」のライセンスを返上しますが、大鵬薬品工業から資本参加など再建支援を受け再起を図ります。
近江兄弟社は、「メンソレータム」の生産設備と、日本で「メンソレータム」を販売するために取得していた「メンターム」の商標登録を使い、成分を変更して類似商品を製造・販売、現在では同社の主力ブランド・商品になっています。
なお、軟膏の「メンソレータム」は黄色ワセリンが主原料、軟膏の「メンターム」は白色ワセリンが主原料となっています。
■ Wikipedia メンソレータム
■ Wikipedia 近江兄弟社
■ ロート製薬公式サイト メンソレータム
■ 近江兄弟社公式サイト メンターム