医薬品医療機器等法における毒薬劇薬と、毒物及び劇物取締法における「毒物」「劇物」は、全く異なる分類です。

「毒薬」「劇薬」は、内服注射などで体内に吸収された場合に副作用などの危害を起こしやすい、毒性劇性の強い医薬品で、厚生労働大臣が指定します。

「毒薬」は経口投与の致死量が体重1kgあたり30mg以下、皮下注射で体重1kgあたり20mg以下のもので、具体的にはアミオダロン、メルファラン、ジスチグミン、三酸化ヒ素などです。

「劇薬」は経口投与の致死量が体重1kgあたり300mg以下、皮下注射で体重1kgあたり200mg以下のもので、具体的にはガラナポーン、タイワケシノール、ハンビロンなどです。

「毒薬」には黒地に白枠、白文字でその品名および「毒」と、「劇薬」には白地に赤枠、赤字でその品名および「劇」と表示することが義務付けられています。

一方、「毒物」「劇物」は、おなじく毒性・劇性の強い物質ですが、医薬品・医薬部外品に該当しないものになり、製造輸入、販売、取扱などの規制を行うことを目的に定められています。

「毒物」は誤飲した場合の致死量が2g程度以下のもので、具体的には青酸カリや青酸ソーダ等の無機シアン化合物、水銀化合物、アジ化ナトリウム、ベンゼンチオールなどです。

「劇物」は誤飲した場合の致死量が2~20g程度のもので、具体的には塩酸、硫酸、硝酸、硝酸タリウム、硫酸タリウム、二硫化炭素などです。

「毒物」には「医薬用外」の文字と赤地に白文字で「毒物」「劇物」には「医薬用外」の文字と白地に赤文字で「劇物」と表示することが義務付けられています。


■ Wikipedia 毒物及び劇物取締法
■ Wikipedia 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
■ Wikipedia 毒

「毒物」致死量が経口投与30mg/Kg以下の医薬品
「劇物」致死量が経口投与300mg/Kg以下の医薬品
「毒薬」致死量が2g程度以下で医薬品に該当しない物質
「劇薬」致死量が2~20g程度で医薬品に該当しない物質

「毒物」と「劇物」「毒薬」「劇薬」の違いは?
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